当たり前ですが、油っぽいものや甘いものを食べすぎると太ります。ダイエットをするのであればこれらの食べ物に注意しなければなりません。
また、油っぽいものや甘い食べ物が腸内細菌に影響することもわかってきました。具体的には、腸内細菌のバランスが「肥満型」になってしまい、さらに太りやすくなるのです。
そこで今回の記事では、脂肪や糖質と腸内細菌の関係を解説したのち、腸活ダイエットをするうえで特に注意すべき油の種類や食材について紹介します。腸活ダイエットを実践するときの基本中のキホンなので、しっかりと理解しておきましょう。
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- 腸と肥満・ダイエット(part1)
- 脂肪のとりすぎは腸内細菌バランスを「肥満型」にする!
1.脂肪の消化・吸収に重要な「胆汁」
脂肪の消化・吸収には胆汁(たんじゅう)という消化液が関わっています。まずは、この胆汁の働きを解説しておきます。
1-1.胆汁の働き
- 胆汁は脂質の消化・吸収を助けるために十二指腸に分泌される消化液です。
- 胆汁の作用を受けた脂質は、酵素によって分解されます。
- 分解された脂質は小腸から吸収されます。
1-2.胆汁の吸収
- さまざまな栄養素が小腸から吸収されるのと同じように、役割を終えた胆汁も小腸から吸収されます。
- ただし、すべての胆汁が吸収されるわけではありません。吸収しきれなかった一部の胆汁は大腸まで到達します。
このように、一部の胆汁は腸内細菌の住み家である大腸まで到達します。そして、大腸に到達した胆汁が腸内細菌バランスを変えることになるのです。
2.胆汁が腸内細菌バランスを「肥満型」に変える
それでは、大腸に到達した胆汁は腸内細菌バランスをどのように変えてしまうのでしょうか?
2016年度の腸内細菌学会という学会で「胆汁の影響でやせ菌が減って、デブ菌が増える」ということが報告されています。つまり、「肥満型」の腸内細菌バランスになってしまうのです。
<参考記事>
太る原因は「腸内細菌」にある!
腸内細菌のバランスが肥満型になると、食品からのエネルギー吸収効率が高まることが知られています。そのため、肥満型の腸内細菌バランスの人は、そうでない人よりも太りやすくなるのです。
ここまでをまとめると、「①脂肪の摂取 → ②胆汁の分泌量が増える → ③腸内細菌バランスが肥満型になる → ④太りやすくなる」という流れで肥満体質になってしまいます。これを避けるためには、脂肪の摂取量を減らすことが大切です。
ただ、脂肪の中には必須脂肪酸のように体にとって大事な脂肪もあります。そのため、やみくもに脂肪を減らすことはよくありません。そこで、胆汁の量を増やしやすい脂肪を避けることが大切になってきます。
3.動物性脂肪(常温で固体の脂)に注意
胆汁の量を増やしやすい脂肪というのは動物性脂肪(常温で固体の脂)です。霜降り肉のサシの部分やラード、バターなどをイメージして頂ければよいかと思います。
これらの脂肪分が腸内環境によい影響を与えることはまずありません。実際、これらの脂肪分を摂取するとたくさんの胆汁が分泌され、腸内細菌バランスが肥満型になることが知られています。
さらに糖質が追加されると最悪です。なぜなら、固体の脂と糖質をセットで摂取すると、胆汁の分泌量が2倍近くに増えるからです。このことは、下記のような実験で明らかにされています。
- 液体の油を食べさせたマウス(ねずみのこと)を「マウスA」とします。
- 固体の脂を食べさせたマウスを「マウスB」とします。
- マウスAとマウスBに糖分を同時に与えました。すると、マウスBの胆汁の量はねマウスAの約1.7倍に増えました。
(参考文献:動脈硬化)
このように、常温で液体の油よりも常温で固体の脂のほうが胆汁の分泌量を増やします。特に、糖質を組み合わせるとより多くの胆汁が分泌されるので、「固体の脂と糖質」は最悪の組み合わせであることがわかります。
したがって、ダイエットをするときはラードやバターなどの常温で固体の脂と糖質を同時にとらないよう十分に注意しましょう(背油の入ったラーメンなどはNGです)。
4.まとめ
- 胆汁は、脂質の消化・吸収を助ける消化液である。
- 十二指腸に分泌された胆汁の一部は、腸内細菌の住み家である大腸に到達する。
- 大腸に到達した胆汁の影響で、腸内細菌バランスが「肥満型」に変化する。
- 動物性脂肪(常温で固体の脂)と糖分を同時に摂取すると、より多くの胆汁が分泌される。その結果、腸内細菌バランスが肥満型になってしまう。
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