代表あいさつ

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代表挨拶

山口 幸三プロフィール写真

はじめまして。山口幸三と申します。私は長年、製薬会社の研究員としてさまざまな薬の研究に携わってきました。会社員時代には、腸内環境に関するプロジェクトを社内で初めて立ち上げ、サブリーダーとして研究を牽引してきました。

今でこそさまざまなメディアで「腸が大事」「腸が健康のかなめ」と取り上げられるようになりましたが、私が研究者だった頃は世間ではそこまで注目を浴びていませんでした。そのような時代から、研究者の立場で腸と健康に関する専門的な知識を身に付けてきました。

腸は健康や美容のあらゆる面に影響します。私は研究者時代に培った知識・経験をもとに、”腸活”の分野で人々の健康や美容に貢献したいと思いました。製薬会社に在籍しながら活動するには制約が大きかったため、勤めていた会社を退職し、2019年に株式会社フローラボを設立しました。

起業してからこれまで、たくさんの人々の腸活(ダイエットや便秘解消)をサポートしてきました。また、食物繊維の質と量にこだわった(おそらく日本一と言っても差し支えない)オリジナルスムージーを開発・販売してきました。一般向けの腸活セミナーを行う傍ら、事業者向けに腸内フローラ解析士養成講座もスタートさせました。

これらの活動を通じて、"腸"の重要性をたくさんの人々に伝えてこれたと思っています。今後これらの活動をますます加速させて、より多くの人の健康や美容に貢献していきたいと思います。

健康寿命が延びれば高齢化で悩む日本も少しは元気を取り戻すでしょう。そのために、私の知識や経験が少しでも役立てば幸いです。


プロフィール

1979年 ・兵庫県洲本市出身
2003年3月 ・北海道大学 農学部 卒業
・研究テーマは「土壌細菌が作る糖質代謝酵素の研究」
2005年3月 ・北海道大学大学院 農学研究科 修士課程 修了
・研究テーマは「ルーメン細菌(牛の胃の中にいる細菌)が作る糖質代謝酵素の研究」
2005年4月 ・国内大手製薬会社に入社し、研究員として12年間勤務
・微生物が作るさまざまな物質の研究に従事した。また、腸内細菌に関するプロジェクトのサブリーダーとして研究を牽引した。
2017年・退職
2019年・株式会社フローラボ 設立
上述のとおり、私はもともと研究者でした。なぜ研究者から起業したか、その経緯をお話しします。


微生物の研究に奮闘した学生時代


子どもの頃から「社会科より理科」「国語より算数」が好きな理系少年で、高校入学後も当然のように理系に進学。

「生物Ⅱ」の授業で初めて「DNA、RNA、遺伝子、タンパク質」などについて学び、複雑な反応によって新しい細胞が作られることに驚いたのを覚えています。このときの授業が研究者の道に進むきっかけだったのかもしれません。

北海道大学農学部に進学し、大学3年の秋には「不夜城」と呼ばれる研究室に所属しました(笑)実際、深夜0時を過ぎても実験をしている先輩や、かび臭い地下室にあるソファーや寝袋で寝ている先輩、夜中に研究室で鍋をする先輩がいました。

だいぶやばい研究室でしたが、ストイックな研究生活にも少しワクワクしていました。

卒論の研究テーマは、「土壌細菌が作る糖質代謝酵素の研究(土の中にいる菌が作る酵素の研究)」。1年半という短い研究期間で、一定の成果を卒論にまとめることができました。

大学院では「牛の胃の中にいる菌が作る糖質代謝酵素の研究」という新たな研究テーマを立ち上げました。このとき初めて「動物の体内にいる菌」を研究対象とすることになったのです。

大学院時代の研究風景
※ 大学院時代の研究風景


当時の研究室にとって「牛の胃の中にいる菌」を扱うのは初めてでした。そのため、同じ研究を担当したメンバー(私を含む3名)にとってはすべてが試行錯誤の連続でした。

まずは研究対象の菌を培養するために、牛の胃液を入手する必要があります。そこで、畜産学科の教授にお願いして牛の胃液を頂くことになりました。

ここから少し衝撃的な話になります。畜産学科で飼育している牛のお腹にはプラスチック製の蓋が付いています。そして、その蓋を外すと、胃に直接手を入れられるようになっています。そこから未消化のワラと一緒に胃液を採取するのです。

牛のフィステル 胃液採取の様子
※ 本人ではありません。当時、写真を撮っていなかったため、ぱるぷんてニュースより画像を引用



現場では、ベテラン風の大学院生が採取方法を教えてくれました。彼はなんと素手で胃の中に手を突っ込んで、ワラを取っていました。そして当然のように「こんな感じでやってください」と言ってきます。

なんだか素手でやるのが当たり前の雰囲気になっていたので、ためらいながらも学生のノリで素手で手を突っ込みました。淡路島(地元)から北海道までやって来て、まさか素手で牛の胃袋に手を突っ込むことになるとは、、

なんとかワラと胃液を採取できたものの、困ったのはそのあとの食事です。完全に手ににおいがしみついてしまったのです。牛の胃の中のにおい、、それはまぎれもなく糞のにおいです。
※ちなみに、牛よりも羊の方が臭かった

研究対象の菌を培養できるようになると、研究は比較的スムーズに進みました。その菌が作る微量の糖質代謝酵素を精製し、それを使って新規オリゴ糖を合成することに成功。この研究成果は科学雑誌に掲載され、特許を取得しました。


製薬会社での研究と起業


大学院修了後、2005年4月より国内の大手製薬会社に勤務しました。配属された部署は「天然物創薬」に関する研究グループです。

※ 天然物創薬:微生物や植物が作る成分を薬にすること

入社して6~7年は一貫して「微生物が作る物質の中から、抗がん剤になり得る成分を探す」という研究に従事しました。担当した複数のプロジェクトで目的の物質をいくつか発見できましたが、これらの物質が抗がん剤になることはありませんでした。薬効(薬の効き目)が弱かったり、毒性(副作用)が強かったりしたためです。

このように、長い年月をかけたとしても研究がうまく進まないことから、抗がん剤研究の難しさを痛感しました。そして、この頃から抗がん剤とは別の研究をしたいと考えるようになりました。ちょうど研究の世界では「腸内細菌」に注目が集まり始めた時期でもありました。

学生時代に牛の胃袋にいる菌を研究対象としていたこともあり、腸内細菌にはとても興味を持ちました。そこで、数えきれないほどの論文を読んで知識を深めていき、「健康を維持するためには、腸内環境を健全に保つことが大事」という考えに至りました。

腸内細菌に関する専門書
※ 腸内環境に関する専門書。これ以外の論文はすべてPDFファイルで保管。



そして、「腸内細菌を対象とした創薬研究」という構想を描き始めました。当時そのような研究をしている製薬会社は少なかったため社内では逆風もありましたが、紆余曲折を経て社内で初めて腸内細菌プロジェクトを立ち上げることができました。私自身もサブリーダーとして研究に貢献できたと思っています。


ただ、残念ながらそのプロジェクトは2016年に終了。それをきっかけに私も「退職して起業」という方向に動き始めました。医薬品開発による「病気の治療」ではなく、腸内環境改善による「健康増進」で世の中に貢献したいと考え始めたのです。

そして2017年退職、2019年4月に株式会社フローラボを設立しました。現在は”腸活”という観点で人々の健康や美容に貢献するため、さまざまな活動を行っています。


「治療」から「予防」へ


腸内環境はさまざまな体の不調に関わっています。便秘や大腸がんのような腸の問題だけではありません。腸内環境は腸から遠く離れた臓器や血管などにも影響して、健康や美容全般に関わっています。

そして、さらに重要なポイントがあります。それは、腸内環境は生活習慣によって変えられるということです。

少し話が飛びますが、2013年、米国の女優アンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がんを予防するために乳腺を切除して話題になりました。検査でがんの原因遺伝子が見つかったため切除したのです。治療ではなく予防のために手術したことになります。

この例からわかるように、遺伝子に起因する病気を予防するのはとても難しいです。なぜなら、遺伝子を変えることはできないからです。

一方、腸内環境は変えることができます。いま腸内環境が悪かったとしても、生活習慣を見直すことで改善することは可能です。そして、腸内環境を健全に保つことが健康的な日常につながります。

製薬会社で「治療」のための薬を作ることもとても大事な活動ですが、私にとっては「治療」よりも「予防」という概念に惹かれました。そして、「予防」の観点で自分の知識・経験を人々の健康に役立てたいと考えたことが起業のきっかけでした。


当サイトについて


腸内環境に関する研究が著しい発展を遂げたことから、”腸”が一般の人々にも注目される時代になりました。テレビ番組や書籍で特集されることも増えたため、あなたも目にしたことがあるのではないでしょうか。当然、インターネット上にも一般の人が書いた記事が数多く掲載されています。しかし残念ながら、中には信憑性のないものやでたらめなものもあります。

私は元研究者という立場上、情報の正確性を重視しています。そのため、インターネット上の情報ではなく、これまでに得た知識・経験や学術論文に基づいた情報発信を心がけています。

この背景には、「多くの人に腸内環境に関する正しい知識を持ってほしい。そして、長く健康でいてほしい」という思いがあります。

たくさんの人が当サイトを利用することにより、健康で豊かな生活を送るためのヒントを得て頂けると幸いです。