便秘に悩んでいる女性はとてもたくさんいます。実際、働く女性の半数以上が便秘というデータもあるほどです。
女性に便秘が多い理由としては、「ダイエット」や「女性ホルモンの影響」があげられますが、今回はダイエットをテーマにお話していきます。
「ダイエットをするとなぜ便秘になるのか」「便秘にならないためには何を食べればよいか」について解説していきますので、これからダイエットをする方や、ダイエットをするといつも便秘になってしまうという方はぜひ参考にしてみてください。
1.食事の量が少ないと便秘になる
ダイエットと言ってもいろいろな方法がありますが、もっとも便秘になりやすいのが「食べない系のダイエット」です。
私たちの腸は、収縮運動を繰り返して食べたもの(消化中のもの)を肛門方向へと移動させます。この収縮運動には、副交感神経、腸の筋肉、腸の内容物(食べたもの)などが大きく影響します。
※ 副交感神経:体がリラックスしているときに働く神経のこと。腸の動きを活発にする。
もっとも影響が大きいのは副交感神経ですが、腹の筋肉や腸の内容物(食べたもの)なども大切です。特に、腸の内容物は腸壁を刺激して収縮運動を活発にしてくれます。
しかし、食べない系のダイエットをすると、当然、腸の内容物はかなり少なくなります。そのため、腸壁への刺激が弱くなってしまい、収縮運動が起こりにくくなるのです。これが食べない系ダイエットによって便秘になってしまう主な原因です。
中には「食べる量が少ないから便秘でも構わないのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、それはよくありません。
う〇ちがお腹の中に留まり続けると、悪玉菌によってインドールやアンモニアなどの腐敗物質が作られ続けます。これらの腐敗物質は腸壁から血液中に移行して、全身をかけ巡るため、体全体に悪影響を及ぼしてしまいます。そのため、肌荒れや慢性的な疲労、メタボリックシンドローム(肥満、糖尿病、動脈硬化など)などにつながると指摘されています。
実際、「水だけ」などのファスティング(断食)をすると、腸で作られる腐敗物質が増えることも知られています。
<参考記事>
間違ったファスティングでは血液中の毒素が増えることもある?!
このように「食べないなら便秘でもOK」という考えは実はよくありません。そのため、仮にあなたが食べない系のダイエットを行う場合は、「腸壁への刺激を増やすもの」を少しでも食べておく必要があるのです。
(※食べない系のダイエットを推奨しているわけではありませんが、もしやるのであれば、、という観点で読み進めてください)
2.食事量を減らすときの注意点
上述のとおり、単純に食事の量を減らすだけでは腸壁への刺激が弱くなるため、腸の収縮運動が活発にならず便秘になってしまいます。これを防ぐためには、食べる量を減らしても腸壁を刺激してくれるものを食べる必要があります。それが不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維とは水に溶けない食物繊維のことで、葉物野菜、きのこ、豆類などに多く含まれています。
不溶性食物繊維には、「腸の中で他の消化物と混ざり合って便のかさを増やす」という働きがあります。便のかさが増えるので、腸壁に伝わる刺激も増え、腸の動きが活発になるのです。
このように、不溶性食物繊維は「便のかさを増やす→腸壁を刺激する→腸の動きを活発にする」というふうに働いてくれるため、食べない系のダイエットをする場合でも、不溶性食物繊維は意識して食べるとよいでしょう。
3.不溶性食物繊維の注意点
ここまで、「食べない系のダイエットをするときは不溶性食物繊維を意識してとりましょう」と述べてきました。ただ、不溶性食物繊維にもひとつ注意点があります。それは、水溶性食物繊維もセットでとるということです。
水溶性食物繊維とは、水に溶ける食物繊維のことで、海藻や納豆、ネバネバ野菜(長芋やオクラなど)、大麦やもち麦などに多く含まれています。水溶性食物繊維には、う〇ちを柔らかくするという働きがあります。
水溶性食物繊維をとらずに不溶性食物繊維ばかり摂取していると、お腹が張ってガスが溜まることがあります。場合によっては便秘が悪化するケースすらあります。食物繊維はそのバランスがとても大切なのです。
一般的に、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は「不溶性:水溶性=2:1」のバランスが理想とされていますが、これには根拠がほぼありませんので無視して構いません。ただ、日本人は水溶性食物繊維が不足しているので、海藻やネバネバ野菜などを意識して食べるようにしましょう。
<ひとくちメモ>
食物繊維は消化管で消化・吸収されにくい低カロリーの栄養素なので、ダイエット中でも摂取しやすい栄養素といえますね(食物繊維の種類にもよりますが、カロリーは0~2kcal/gと低めです)4.まとめ
- 食べない系のダイエットをすると腸壁への刺激が減るため便秘になる。
- 不溶性食物繊維は腸壁への刺激を増やしてくれる。
- 不溶性食物繊維をとるときは水溶性食物繊維もセットでとる。食物繊維はバランスが大切である。
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