睡眠不足で便秘になる?!その理由と4つの対策を紹介!

この記事のポイント


毎日夜遅くまで働いている人で、便秘に悩んでいる人はたくさんいます。

独身時代の私もそうでした。残業のせいで遅い時間に帰宅し、夕食を済ませた後、お風呂に入って寝るという生活を続けていました。そして当時の私は便秘でした。。

実は、睡眠不足は便秘の原因になります。そこで今回は睡眠不足が便秘を招く理由について述べていきます。また、睡眠不足でもできる便秘対策4つのポイントを解説します。便秘解消のためには、夜と朝の過ごし方が大切であることを理解しましょう。


【筆者】山口 幸三

  • 2003年:北海道大学農学部 卒業
  • 2005年:北海道大学大学院農学研究科 修士課程 修了
  • 2005年~2017年:協和発酵工業株式会社(現 協和キリン株式会社)
    がんや腸内細菌に関するプロジェクトのサブリーダーとして研究を牽引。
  • 2019年:株式会社フローラボ設立
腸内環境に関する専門知識を背景に腸活関連の事業を推進。現在は、腸内フローラ解析にもとづいたパーソナル腸活(その人に合った腸活)のサポート、腸活ダイエットのサポート、腸活勉強会の主催などを行っている。


1.腸の働きは自律神経のバランスで決まる


まず腸の動きがどのように調整されているか把握しておきましょう。

腸の動きは「交感神経」と「副交感神経」という二つの神経によって調整されています。これらの二つの神経のことを「自律神経」といいます。

この交感神経と副交感神経は「互いに反対の役割がある」という特徴があります。

例えば、スポーツ選手が試合前にドキドキしている場面を想像してください。このとき、心臓の拍動は速くなり汗がにじみ出てきます。このような状態は交感神経の作用によって起こります。つまり、活動していたり緊張していたりするときは交感神経が活発に働いているのです。

逆に、夕食後にゆっくりお茶を飲んでいる場面を想像してください。このとき、心臓の拍動はゆっくりしていて汗もかきません。このように休憩しているときやリラックスしているときは副交感神経が優位に働いています。


交感神経が優位な状態と副交感神経が優位な状態


私たちの生活リズムも、交感神経と副交感神経に支配されています。日中の活動しているときは交感神経が優位に働き、リラックスしているときは副交感神経が優位に働いているのです。

そして重要なポイントは「副交感神経が優位に働けば、腸がスムーズに動く」ということです。少し大雑把な言い方ですが「リラックスできていれば腸は順調」なのです。

副交感神経が働けば腸が動く


2.睡眠不足だと副交感神経が十分に働かない


夜帰宅してリラックスしているときは副交感神経が優位になります。睡眠中も同じです。

もうおわかりだと思いますが、睡眠時間が短いということは副交感神経が働く時間も短いということです。そのため腸も十分に動くことができず、便秘になってしまうのです。

また、睡眠中は”大蠕動”という大きな腸の動きが起こっています。睡眠時間が短いということは、この大蠕動の機会も減ってしまうということです。

ここまでの話をまとめると、「睡眠不足 → 副交感神経が十分に働かない → 腸がスムーズに動かない(大蠕動が起きない)→ 便秘」という流れができてしまうのです。そして、この流れを断ち切るためには、大元の「睡眠不足」を解消しなければなりません。


寝不足が便秘につながる理由


睡眠不足になってしまう主な理由は「仕事などで帰りが遅いこと」です。これについてはさまざまな事情があるので対策は人それぞれですが、効率的に仕事を進めるなどの工夫が必要だと思います。

ただ「どうしても帰りが遅くなってしまう」「早く帰っても家事などのせいで睡眠時間を確保できない」という人もいるでしょう。そこで、そのような状況でも便秘にならないようにするための対策を紹介していきます。


3.寝不足でも便秘を予防する4つの方法


3-1.寝る3時間以上前に夕食を済ませる

寝るときはできるだけ空腹で寝ましょう。空腹状態で眠れば、眠っている間に「モチリン」というホルモンが働いてお腹の中を掃除してくれます。そして、お腹の中が掃除された状態で朝を迎えることが朝の便意につながります。

そのため、夕食はなるべく早い時間帯に済ませましょう。残業で忙しい場合は、「仕事の途中でいったん食事する」などの工夫をしてみてください。


3-2.リラックスしてから寝る

眠っているときは副交感神経にしっかりと働いてもらわないといけません。そのためには、仕事中の興奮状態を引きずったままベッドに入らないようにしましょう。

当然、寝る直前までPCを触ったりメールチェックをしたりしてはいけません。ゆっくりお風呂につかりリラックスしてからベッドに入ってください。ただし、寝酒は脳を覚醒させてしまうので避けてください。


3-3.朝起きたら朝日を浴びて、コップ一杯の水を飲む

自律神経のバランスを整えるために、朝起きたら朝日を浴びるようにしてください。そして空腹のお腹に「コップ一杯の水」で刺激を与えましょう。人によっては水を飲むだけでトイレに行きたくなる、という方もいらっしゃいます。(おそらく「水を飲んだら便意をもよおす」という条件反射ができあがっているのだと思います)


3-4.しっかり朝食を食べ、便意を感じたらすぐにトイレに行く

睡眠不足の人の場合、これが一番難しいです。どうしても「ぎりぎりまで寝ていたい」という意識が働くためです。

ただ、朝食は抜かないでください。バナナ一本でもよいので、必ず何か食べて胃に刺激を与えましょう。上述のとおり、この刺激が便意につながるからです。そして便意を感じたら我慢せずにトイレに行ってください。便意を我慢してばかりいると、そのうち便意そのものを感じなくなってしまうからです。

便意の我慢はNG


そしてぜひ意識しておいてほしいことが「出勤直前に便意を感じても、必ずトイレに行く」ということです。

こんなことを書くと「遅刻するじゃないか?」「仕事とトイレとどっちが大事なんだ?!」という声が聞こえてきそうですし、現実的にはなかなか難しいのもわかります。ただ、一度やってみてください。

そうすることで、「朝の時間の大切さ」をしっかりと理解できるはず。そこが理解できれば起床時間そのものにも意識が向き始め、よい習慣が身につくきっかけになるはずです。


4.まとめ

  • 腸の動きは交感神経と副交感神経によって調整されている
  • 寝不足だと副交感神経が十分に働かないため便秘になってしまう
  • 寝不足でも4つのポイントを意識することが便秘対策になる
今回は、睡眠不足と便秘の関係について述べてきました。普段から寝不足になりがちな人は今回紹介した4つのポイントをぜひ意識してみてください。また、言うまでもありませんが、寝不足そのものを解消する努力も忘れないでください。



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