これだけは知っておきたい!市販の便秘薬を選ぶときの3つのポイント

  • TOP
  • 便秘(part1)
  • これだけは知っておきたい!市販の便秘薬を選ぶときの3つのポイント
この記事のポイント


便秘で悩む人の中には、薬で解決している人もたくさんいます。平日はまったくう〇ちが出ずに、週末に薬でまとめて出している人もいます。また、「指定された量よりも多くの薬を飲んでいる」という人もいます。

薬は便秘で悩む人を助けてくれる貴重な存在ですが、その選び方や飲み方には注意が必要です。「漢方だから副作用は少ない」「薬剤師に選んでもらったから安心」というわけでもありません。

そこで今回は、市販の便秘薬を選ぶのときの3つのポイントを解説していきます。市販薬を選ぶときの最低限知っておきたい注意点なので、しっかりと内容を理解しておきましょう。


【筆者】山口 幸三

  • 2003年:北海道大学農学部 卒業
  • 2005年:北海道大学大学院農学研究科 修士課程 修了
  • 2005年~2017年:協和発酵工業株式会社(現 協和キリン株式会社)
    がんや腸内細菌に関するプロジェクトのサブリーダーとして研究を牽引。
  • 2019年:株式会社フローラボ設立
腸内環境に関する専門知識を背景に腸活関連の事業を推進。現在は、腸内フローラ解析にもとづいたパーソナル腸活(その人に合った腸活)のサポート、腸活ダイエットのサポート、腸活勉強会の主催などを行っている。


ドラッグストアなどで市販の便秘薬を買うときは
  • ①刺激性下剤を飲みすぎない
  • ②塩類下剤や乳酸菌製剤を検討する
  • ③薬剤師に丸投げしない
の3つのポイントを意識しておきましょう。順に解説していきます。


1.①刺激性下剤を飲みすぎない


ドラッグストアで売られている便秘薬には「刺激性下剤」という種類の薬が多いです。有効成分を見て確認する必要がありますが、センナ(センノシド)ダイオウアロエなどが含まれている薬はこれに該当します。

刺激性下剤の例

刺激性下剤は、大腸に刺激を与えて腸管運動(食べた物を肛門方向へと移動させる収縮運動)を起こさせる薬です。ただ、この薬には注意しなければいけない点があります。

それは、「長期的に使用すると腸が刺激に慣れてしまい、通常の量では効かなくなる」ということです。冒頭の「指定された量よりも多くの薬を飲んでいる」という人は、まさに刺激性下剤の刺激に慣れてしまった人です。

さらに、刺激性下剤を数ヶ月間飲み続けていると、大腸の中に「大腸メラノーシス」と呼ばれるシミができてしまいます。


正常な大腸と大腸メラノーシスの比較
(参照:NHK、国立病院機構久里浜医療センター 水上健)


大腸メラノーシスができたからといって、何らかの自覚症状があるわけではありません。しかし、大腸メラノーシスができた腸は収縮運動が弱くなっていることが確認されています。

このように、刺激性下剤には、飲み続けると「通常の量では効かなくなる」「大腸メラノーシスを生じて腸の働きが弱くなる」という二つの短所があるのです。


1-1.漢方や便秘茶は安心か?!

刺激性下剤に関する情報として、漢方や便秘茶についても触れておかなければなりません。

「漢方は副作用がなくて安心」「便秘茶はお茶だから安心」と思うかもしれませんが、実はそうとも言い切れません。なぜなら、センナ、センノシド、ダイオウ、アロエなどの刺激性下剤は漢方系の便秘薬や便秘茶に含まれることも多いからです。

※便秘茶の場合は、キャンドルブッシュ(別名:ゴールデンキャンドル、ハネセンナ)のように植物名で記載されていることがあります(下記参照)。


某便秘茶の原材料
(某便秘茶の原材料)


「漢方はマイルドに効く」「漢方は体質を変えてくれる」「お茶だから安心」というのはあくまで”イメージ”なので、購入する際はしっかりと成分を確認するようにしましょう。参考までに便秘茶に対する国民生活センターの注意喚起を転載しておきます。




1-2.刺激性下剤のメリット

ここまで読んで「刺激性下剤は怖い」と思われたかもしれませんが、刺激性下剤にもメリットはあります。それは「他の便秘薬よりもよく効く」ということです。

薬を飲むだけで翌日にはスッキリできるので、便秘で苦しんでいる人にとってこのメリットはとても大きいです。

刺激性下剤には上述のようなデメリットがあるため日常的に飲むのはおすすめできませんが、一時的に飲むのであれば問題ありません。「刺激性下剤は絶対悪」というわけでもないので、その点を理解してうまく利用するようにしましょう。


2.②塩類下剤や乳酸菌製剤を検討する


刺激性下剤は長期間飲み続けるとさまざまなデメリットが生じることがわかりました。そこで、刺激性下剤に代わる薬として「塩類下剤」や「乳酸菌製剤」などがあります。


2-1.塩類下剤

有効成分として、酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムなどが含まれている薬が該当します。


酸化マグネシウムの例


塩類下剤は「う〇ちの水分を増やし、う〇ちを柔らかくする」という薬です。刺激性下剤に比べると効き目は弱いですが、副作用が少ないため推奨されることも多い薬です。

※ 腎機能が低下している人が服用すると「高マグネシウム血症」のリスクがあります。医師や薬剤師の注意点をしっかりと聞いたうえで飲んでください。


2-2.乳酸菌製剤などの整腸剤

乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌を含んだ整腸剤もおススメです。ビオフェルミンやミヤリ酸錠などは有名なのでご存知の人も多いでしょう。整腸剤には「乱れた腸内環境を整えることで、排便をスムーズにする」という効果が期待できます。副作用が少ないおすすめの薬です。

ビオフェルミンとミヤリ酸錠


3.③薬剤師に丸投げしない


最後のポイントは「便秘薬選びを薬剤師に丸投げしない」です。

便秘薬に限った話ではありませんが、私たち一般消費者もある程度は薬に関する知識を持っておいたほうがいろいろ役に立ちます。少なくとも、ドラッグストアで「おススメの便秘薬はありますか?」と尋ねて薬剤師にすべて任せるのはやめておきましょう。

なぜなら、そのような質問を受けた薬剤師は「そのお店が今売りたい薬」や「新しく発売された薬」などを勧めることが多いからです。(※ これはドラッグストアに勤める薬剤師からの情報です。すべてのドラッグストアや薬剤師が該当するわけではありません。)

ドラッグストアで薬を選ぶときは、例えば、「慢性的に便秘なので、できれば刺激性下剤は避けたいです。何かおススメの便秘薬はありますか?」のように尋ねてみましょう。このような聞き方であれば、少なくとも副作用の強い刺激性下剤が勧められることはないでしょう。

4.まとめ

  • 刺激性下剤を長期的に飲み続けると、腸の働きが徐々に弱くなってしまう。
  • 日常的に飲むのであれば、刺激性下剤よりも塩類下剤(酸化マグネシウムなど)や整腸剤(ビオフェルミンなど)のほうがオススメである。
  • 市販の便秘薬を買う際は薬剤師に丸投げせずに、ある程度は要望を伝えた方がよい。
今回は市販の便秘薬を選ぶときのポイントについて述べてきました。市販の便秘薬を飲むときはその有効成分に注意する必要があります。日常的に飲むのであればなおさらです。

そして、薬で排便習慣を付けつつ、薬に頼らなくてもスッキリ出せる体質に少しずつ変えていくことが大切です。このサイトや下記のLINEではスッキリ体質に変わるポイントを公開しているので、ぜひ有効活用して日々の生活に役立ててください。



無料動画セミナーのご案内