夕食時のお酒と就寝前の水分補給は便通に影響する

仕事などを終えて帰宅してからの過ごし方は、便通にさまざまな影響を与えます。特に、家に帰ってからお酒を飲む場合はその飲み方に注意が必要です。なぜなら、過度な飲酒や寝酒は、便秘を招いたり悪化させたりすることがあるからです。

また、入浴後の水分補給の仕方も翌朝の便通に関わってきます。

そこで今回は、夕食時のお酒と就寝前の水分補給の仕方について述べていきます。お酒好きの方には気になる内容だと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

適量のアルコールは便秘解消に効果的

適量の飲酒はリラックス効果を与えてくれます。そしてリラックスしているときは、副交感神経が優位になります。

副交感神経には腸のぜん動運動(食べた物を肛門の方へと移動させる収縮運動)を活発化する働きがあります。

そのため、適当な量のアルコールを飲むことで、「 リラックス効果 → 副交感神経が優位になる → ぜん動運動が活発になる」のように作用して、便秘解消に繋がります。

また、アルコールには血行を良くしたり腸を刺激したりする作用があります。この作用によって腸のぜん動運動はさらに活性化します。

このように、適量のアルコールは便秘解消に有効なのです。

お酒を飲むときの注意点

適量のアルコールは便秘解消に有効ですが、逆に過度の飲酒は腸内環境を乱します。また、おつまみの選び方も便通に影響します。以下、それらのことを順に解説していきます。

飲みすぎに注意
お酒を飲みすぎた場合、下痢になる人もいれば便秘になる人もいます。これには、その人の体調やアルコールと一緒に摂取している飲食物が影響しています。

空腹時に大量のアルコールを摂取すると、その刺激で胃腸が荒れる場合があります。すると、腸が適切に水分を吸収できなくなるため下痢になります。

特に、ビールや炭酸を含むアルコール飲料は腸への刺激が強いため、下痢を引き起こしやすいです。これを避けるため、空腹時に炭酸系のアルコールを大量に飲むのはやめておきましょう。

また、「お酒を大量に飲むと喉が渇く」という経験をしたことはないでしょうか? アルコールの分解には水分が必要となるため、大量に飲むと体が水分不足になりやすくなります。そのため、便の水分が減って便秘になってしまいます。

これを回避するには、過度な飲酒は控えるとともに、アルコールと同時に水も飲むようにするとよいでしょう。

おつまみの選び方
おつまみにはさまざまな種類の食品があります。ただ、便秘を招かないためには腸内環境に良いおつまみを選択する必要があります。

一般的に、悪玉菌は脂っぽいものや肉類を好みます。また、タンパク質に含まれる「トリプトファン」や「チロシン」というアミノ酸は、悪玉菌によってそれぞれ「インドール」や「p-クレゾール」という腐敗物質に変換されます。これらの腐敗物質が蓄積することにより、腸内環境はさらに悪化してしまいます。

そのため、高脂肪・高タンパク質のおつまみは控え目にしたほうがよいです。逆に、冷奴、海藻を含むサラダ、枝豆、漬物などの腸内環境に良い食品を食べるようにしましょう。

入浴後の水分補給

入浴後や寝る前に水分を摂ることは、問題ありません。ただ、カフェインを含むお茶やコーヒーは避けたほうがよいです。なぜなら、カフェインには交感神経を活性化する働きがあるためです。

交感神経とは体が活動しているときに働く神経のことです。副交感神経とは逆に、ぜん動運動を抑制する働きがあります。そのため、交感神経が優位になると便秘になりやすくなります。

また眠れないからといって、睡眠薬代わりにお酒を飲むのはよくありません。アルコールを飲んで寝ると、眠りに落ちて数時間後に脳が覚醒して眠りが浅くなってしまいます。そのため、十分に疲れが取れないまま翌朝を迎えることになります。

また上述の通り、アルコールの分解には水分が使われるため、寝ているうちに水分不足となってしまい、便秘に繋がる可能性があります。

このように、入浴後や就寝前の水分補給には、カフェインとアルコールは避けるようにしましょう。

そして、ミネラルウォーターお湯を飲むのが、便秘解消には最も良いです。ミネラルウォーターにはカルシウムやマグネシウムといったミネラルが豊富に含まれているものがあります。このうち、マグネシウムには便の水分量を増やす働きがあるため、便秘の解消に繋がります。

また、温かいお湯を飲むことでリラックスすることができ、副交感神経が優位な状態を保ったまま就寝できます。

なお、私は毎晩、食物繊維のサプリメントを溶かしたお湯を飲むようにしています。温かい飲み物でリラックスしつつ、腸内環境に良い食物繊維が含まれているのでおススメの一杯です。

今回述べてきたように、夕食時の飲酒や就寝前の水分補給は便通と密接な関係があります。翌朝スムーズに排便するためには、腸内環境を健全に保ち、副交感神経優位の状態で眠りにつくことが重要です。そのためにも、今回お伝えした内容をぜひ生活の中に取り入れてみてください。



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