むくみと便秘の関係:むくみ対策は便秘解消に繋がる

便秘で悩む人の中には、体がむくんでいる人がいます。特に、一日中デスクワークなどで体を動かす機会が少ない人の場合、脚がむくんでいるケースが多いです。

むくみを解消するために、「水分を控える」という対策をとる人がいます。しかし実際には、この方法にはあまり意味がありません。

そこで今回は、「便秘とむくみの関係」、「むくみの解消法」について述べていきます。むくみの解消は便秘の解消にも繋がるので、ぜひ参考にしてみてください。

むくみの原因

足首やふくらはぎを指で押したときに、へこみが消えにくかったり跡が残ったりする場合にはむくみの症状があります。このようなむくみの原因には、「血行不良」、「塩分の過剰摂取」、「内臓疾患」などが挙げられます。

血行不良
便秘と最も関係しているのが、この血行不良によるむくみです。

自律神経のバランスを崩し、交感神経が活発化している状態が長く続くと、便秘やむくみが生じやすくなります。

交感神経とは、仕事やスポーツ、勉強などで活動しているときに優位に働く自律神経のことです。逆に、休憩していたりリラックスしていたりするときに働くのは、副交感神経という神経です。

交感神経には、ぜん動運動(食べたものを肛門の方へと移動させる収縮運動)を抑制する働きがあります。そのため、この神経が優位になると便秘になりやすくなります。

また、交感神経が優位になると筋肉が緊張して硬くなります。すると、血流が悪くなってしまうため、むくみの原因となります。

このように、交感神経が優位になる状態が長く続けば、便秘とむくみを両方引き起こす可能性が高くなります。

塩分の過剰摂取
濃い味付けのものを食べたり、塩分を過剰に摂取したりすると体がむくみやすくなります。

塩分には「ナトリウム」という成分が含まれています。そのため、塩分を摂りすぎると細胞内のナトリウム濃度が高くなります。すると、ナトリウム濃度を下げるために細胞は余分な水分を保持するようになります。これが、むくみの原因となります。

内臓疾患
腎臓、心臓、肝臓などに何らかの異常を抱えている場合、体がむくむことがあります。

腎臓は老廃物と一緒に水分を尿として排泄する臓器です。そのため、腎臓に異常があると、体の中に余分な水分が保持されることになって体がむくみます。

また、心臓のポンプが弱くなると、毛細血管に送られた血液が正常に心臓に戻れなくなることがあります。すると、毛細血管の余分な水分が血管外の細胞に蓄えられ、むくみの原因となります。

また肝臓には、血管内の水分保持に関係する「アルブミン」というタンパク質を作る働きがあります。肝臓に障害があると、このアルブミンが作られなくなってしまいます。これにより、血管外の細胞へと水分が出て行きやすくなり、むくみを引き起こします。

むくみ対策は便秘にも有効

上述のように、むくみには主に「血行不良」、「塩分の過剰摂取」、「内臓疾患」の3つの原因があります。ここからは、それぞれの対策の仕方について述べていきます。

血行不良の対策
血行不良を改善するためには、運動、入浴、マッサージなどが効果的です。

脚の筋肉には、「収縮することによって血液を循環させる」というポンプのような役割があります。そのため、脚の筋肉を動かすような運動を行うことでむくみは解消されます。そのため、デスクワークや立ち仕事の合間に、屈伸運動をしたり歩き回ったりするなどして、体を動かしてみてください。

このようなリラックスするための運動、入浴、マッサージなどは副交感神経優位の状態を保つため、便秘解消にも効果的です。

塩分過剰摂取の対策
塩分の過剰摂取を対策する場合、単純に塩分を控えることが有効です。さらに、「カリウム」という成分を摂取することも効果的です。

カリウムには、「ナトリウムとバランスを取り合って、細胞内の水分量を調節する」働きがあります。そのため、細胞内がナトリウム過多になっているときは、塩分を控えるだけでなくカリウムを摂取することで、むくみ解消に繋がります。

カリウムを多く含む食品としては、パセリ、バナナ、海藻類などが挙げられます。

ただこの方法には、一点だけ注意すべきところがあります。それは、「腎不全の患者さんや透析を受けている患者さんは、カリウム摂取を極力控える必要がある」ということです。

これらの人がカリウムを大量に摂取すると、それが高カリウム血症の原因となります。そして最悪の場合、心停止に至る可能性があります。

内臓疾患の対策
これについては、医療機関を受診するしかありません。ただ、普通に生活している限り、腎臓、心臓、肝臓といった臓器が急に機能不全に陥ることは滅多にありません。どちらかというと、加齢や何らかの疾患に伴って、徐々に機能低下していくことの方が多いです。

そのため、定期的に健康診断を受けることで、これらの内臓機能をある程度把握しておくことができます。そして、これらの内臓機能が低下しているときにむくみが生じた場合は、まずは「内臓疾患が原因」と考えて、医療機関を受診するのが良いでしょう。

このように、むくみの原因は水分の摂りすぎではありません。そのため、水分を控えてもむくみ解消には繋がりません。それどころか、逆効果になる場合もあります。

なぜなら、体が水分不足になると、細胞は水分を保持しようとして細胞内の水分が排出されにくくなるためです。

したがって、むくみ解消には水分を控えるのではなく、こまめに摂取するようにしたほうが効果的です。具体的には、一日1~2Lの水をこまめに飲むのが良いです。これは便秘対策にも繋がるため、ぜひ取り入れてみてください。

今回述べてきたように、交感神経が優位な状態が続くと、便秘とむくみが併発する可能性が高くなります。また塩分の過剰摂取や内臓疾患が原因となって、むくみが生じることもあります。そこで、今回伝えた内容をむくみ解消の参考にしてみてください。



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