腸内環境を改善するためのヨーグルトの選び方と食べ方

腸内環境を整える上で、ぜひ積極的に食べて頂きたい食品はヨーグルトです。ヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が多く含まれています。そのため、腸内環境を健康に保つ上では欠かせない食品と言っても過言ではありません。

ただ、「スーパーに行くと数多くのヨーグルトが陳列されているため、どれを選べばよいかわからない」という相談をされることがよくあります。

そこで今回は、ヨーグルトを選ぶ際のポイントや効果的な食べ方について述べていきます。自分にあったヨーグルト摂取方法を考えるヒントにしてみてください。

無糖・無脂肪で乳酸菌やビフィズス菌を含むものを選ぶ

ヨーグルトを選ぶ際のポイントは二つあります。それは「無糖・無脂肪タイプ」でかつ「乳酸菌やビフィズス菌を含むプロバイオティクス製品」を選ぶということです。

※ プロバイオティクスとは「乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌を含む食品」のことです。

ヨーグルトは毎日継続して食べることが重要です。そして毎日食べることを考慮すると、血糖値やコレステロールを高める可能性のある糖分や脂肪はなるべく摂取しない方が良いです。そのため、できるだけ無糖・無脂肪タイプのヨーグルトを選ぶようにしましょう。

※ 腸内細菌研究で著名な光岡知足先生(東京大学名誉教授)やその教え子の辨野義己先生(理化学研究所)も無糖・無脂肪を推奨されています。

また、プロバイオティクス製品を選ぶことも重要です。パッケージに「プロバイオティクス」と表示されているものもあれば、「LG21乳酸菌」や「ビフィズス菌BB536」のように菌の種類が表示されている場合もあります。そこで、なるべくこのような表示がされている商品を選ぶようにしましょう。

なおヨーグルトの中には、トクホ(特定保健用食品)に該当する商品もいくつかあります。

トクホとは「特定の保険効果(おなかの調子を整えるなど)が科学的に証明されている食品」のことです。つまり、効果がより期待される食品と言い換えることができます。

ただ、私は必ずしもトクホを選ぶ必要はないと思っています。実際、私が毎日食べているヨーグルトの中にトクホのものは一つもありません。「自分に合ったヨーグルト」であれば、トクホでなくても何ら問題はありません。

それでは次に、自分に合ったヨーグルトの選び方について述べていきます。

自分に合ったヨーグルトの選び方

大学の先生方や研究者のお話を聞いていると、「自分に合う or 合わないヨーグルト」というのは確実にあるようです。

このことは私自身も経験しています。ある時期、私は某大手メーカーの某ヨーグルトを毎日食べていましたが、一向に便通が改善されませんでした。そして、「別のヨーグルトに代えることでお腹の調子が良くなった」ということを経験しました。

「自分に合う or 合わない」というのは、ヨーグルトに含まれる善玉菌と体質との相性ですので、人によって自分に合うヨーグルトというのは異なります。

そこで、「自分に合うヨーグルトの選び方」について紹介します。

まず、買ったヨーグルトが自分に合うかどうか判断するためには、同じヨーグルトを「一日約200グラムg×1週間」食べ続ける必要があります。

※ 大きなパッケージで売られているヨーグルトがだいたい400グラムなので、200グラムはその半分になります。意外と多いので、慣れていないうちは何回かに分けて食べても構いません。

1週間食べ続けて、排便回数が増えたり、腸のコンディションが安定し快調になったりしたら、体質に合っていると判断できます。

一方、あまり変化がなかった場合は、体質に合っていないと判断して、また別の銘柄を1週間試します。このような形で検討していくうちに、自分の腸と相性のよいヨーグルトがきっと見つかります。

なお私の場合は、自分に合うヨーグルトが少なくとも3つあります。この3種類を適当にローテーションしながら、時折別の銘柄を試すということを行っています。

ヨーグルト選びもやってみると楽しいですので、ぜひ実践してみてください。

ヨーグルトの食べ方

腸内環境を整える食事では、「プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取する」ことが理想です。

※ プレバイオティクスとは「善玉菌のエサ」のことです。

そこで、ヨーグルトに何らかのプレバイオティクスを加えて食べると良いです。

具体的には、善玉菌のエサであるオリゴ糖がおススメです。あるいは、オリゴ糖を豊富に含むハチミツでも構いません。また水溶性食物繊維(水に溶ける食物繊維)も善玉菌のエサになるため、水溶性食物繊維を豊富に含むフルーツ(キウイやリンゴ)を混ぜるのも効果的です。

また、きな粉をかけて食べるとさらに良いです。きな粉には、不溶性食物繊維(水に溶けない食物繊維)が豊富に含まれています。これにより食物繊維をバランスよく摂取することができます。

ただ、ヨーグルトの見た目は悪くなりますし、味も好みが分かれます。まず試してみて、おいしくなければきな粉はなくても構いません。

なお私は、ヨーグルトに季節のフルーツを混ぜて食べています。そして、たまにきな粉をかけています。また、夏みかんなどの酸っぱいフルーツを混ぜる場合はハチミツをかけ、飲み会などで食生活が乱れたときは、市販のオリゴ糖をかけるようにしています。

ヨーグルトを食べるタイミング

私は人から「ヨーグルトをいつ食べるのが良いか?」と聞かれることもよくあります。

そしてその答えは、「食後であればいつでも良い」です。食前や空腹時にヨーグルトを食べると、胃酸で善玉菌が死んでしまう可能性が高くなるため、なるべく食後に食べるようにしましょう。

なお善玉菌が胃酸で死んでしまっても、「菌体成分が既にお腹にいる善玉菌のエサになる」という理由から、ある程度の効果は期待できます。ただせっかく食べるのですから、できれば生きたまま善玉菌を腸に届けられるように食べましょう。

また食べる時間帯に関しては、朝でも夜でも大差ありません。私の場合、平日は夜、休日は朝や昼に食べていますが、特に違いを感じたことがありません。

それよりも大事なのは、「毎日食べ続けること」です。なぜなら摂取した善玉菌のほとんどは数日~数週間後に便とともに排泄されてしまうからです。そのため、継続して摂取することで腸を健全に保つことができます。

今回述べてきたように、ヨーグルトの選び方や食べ方には大事なポイントがあります。そのポイントを外さないようにヨーグルトを選び、毎日食べ続けていれば、腸内環境は確実に良くなっていきます。お腹の調子が悪い場合は、ぜひ実践してみてください。



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