食物繊維を含む食材といえば、野菜や果物、海藻などを思い浮かべる方が多いと思います。ただ、意外と盲点なのが「ドライフルーツ」です。
スーパーに行くとさまざまなドライフルーツが売られています。生鮮食品としては売られていない果物でも、ドライフルーツであれば売られている場合がたくさんあります。
そこで今回は、ドライフルーツの特徴やおススメのドライフルーツを紹介していきます。あなたも朝食や間食にドライフルーツを取り入れて、腸内環境を整えましょう。
ドライフルーツには食物繊維が凝縮されている
ドライフルーツを食べることで得られる栄養面のメリットは、手軽に豊富な食物繊維を摂取できることです。下の一覧表では「食物繊維が豊富なドライフルーツ」を示しています。
この表からもわかるとおり、乾燥させることによって水分が少なくなるため、食物繊維などの栄養素が濃縮されることになります。そのため「100グラムのドライフルーツ」には、「数100グラムの果物」の栄養素が含まれるのです。
※ すべての栄養素が濃縮されるわけではありません。ビタミンCや葉酸などの栄養素は乾燥後に減る場合があります。
ただ、ドライフルーツにも注意点があります。一つは、「果糖(果物に含まれる糖分)も濃縮されている」ということです。ドライフルーツの食べすぎは糖分の過剰摂取に繋がるため、食べすぎには注意が必要です。
もう一つの注意点は、「余計な食品添加物が含まれる場合がある」ということです。特に、亜硫酸塩や二酸化硫黄などの添加物には注意が必要です。これらはドライフルーツの見た目をきれいにしたり、酸化防止剤として使用されたりしています。
これらの食品添加物は胃腸炎や頭痛の原因になる場合があるため、できれば避けた方が良いです。そのため、ドライフルーツを購入する際は原材料名を確認し、亜硫酸塩や二酸化硫黄が含まれないものを選ぶようにしましょう。
おススメのドライフルーツ:「あんず」と「いちじく」
表に示したとおり、基本的にドライフルーツは食物繊維が豊富です。ただ、その中でも特にお勧めしたいのが「あんず」と「いちじく」です。「あんず」と「いちじく」を推奨する理由は二つあります。それは、「豊富な水溶性食物繊維」と「生の果物として食べる頻度の少なさ」です。
水溶性食物繊維について
あんずといちじくは他のドライフルーツよりも水溶性食物繊維が豊富です。水溶性食物繊維には「水に溶けてドロドロになり、便を柔らかくする」という働きがあります。また血中コレステロールや血糖値を下げる役割もあるため、大変重要な栄養素と考えられています。
また水溶性食物繊維とは反対に、水に溶けない食物繊維として不溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維には「便のかさを増やすことにより腸壁の刺激を促し、腸の働きを高める」という役割があります。
一般的に、「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2」の割合で摂取することが推奨されています。ただ、食物繊維や腸内環境のことを意識していないと、不溶性食物繊維に偏った食生活になってしまう場合が多いです。
そのため、水溶性食物繊維が豊富に含まれる「あんず」と「いちじく」は、ドライフルーツの中でも特に推奨したいドライフルーツになります。
生の果物として食べる頻度について
あんずといちじくを生の果物として食べる機会は少ないのではないでしょうか? 少なくとも私は、あんずやいちじくを生で食べた記憶があまりありません。バナナや柿であれば生で食べる機会がありまし、ブルーベリーであればジャムとして食べることもあります。食物繊維も他の栄養素と同様、さまざまな食材から摂取したほうが体に良いです。食物繊維にはセルロースやペクチン、グルコマンナンなどさまざま種類があります。食材によって豊富に含まれる食物繊維の種類が違うため、さまざまな食材からバランスよく摂取することを心がけてください。
あんずといちじくは生で食べる機会が少ないため、ドライフルーツを利用して摂取するのが良いでしょう。
おススメのドライフルーツの食べ方:シリアル & ヨーグルト
ドライフルーツは小腹が空いたときなど、間食として食べるケースが多いです。子供のおやつにも適しています。実際、私の息子(2016年現在:2歳)も、あんずといちじくのドライフルーツは大好きです。ただ、最もおすすめの食べ方は、シリアルとヨーグルトのセットで朝食として食べることです。これにオリゴ糖も加えると完璧です。
以下の4つを混ぜるだけですので、簡単に作ることができます。
<材料>
・シリアル
・いちじくとあんずのドライフルーツ
・ヨーグルト
・オリゴ糖(なくても構いません)
・シリアル
・いちじくとあんずのドライフルーツ
・ヨーグルト
・オリゴ糖(なくても構いません)
以下の写真は我が家の朝食の一例です。
※ 写真用にヨーグルトは少なめにしています。今回は自家製ヨーグルトをかけていますが、市販のもので構いません。
※ シリアルは甘くないもの、ヨーグルトは無糖・無脂肪のものを推奨します。試してみておいしくなければ、糖分を含むものに変更しても構いません。自分なりにアレンジしてみて下さい。
腸内環境を整える基本は「プロバイオティクス(善玉菌)」と「プレバイオティクス(善玉菌のエサ)」を摂取することです。
ドライフルーツ、シリアル、ヨーグルトの3点セットには、乳酸菌や食物繊維が豊富に含まれているため、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を効率よく摂取することができるのです。簡単に作れて味も悪くないので、あなたも朝食に取り入れてみてください。
ここまで述べてきたように、ドライフルーツには食物繊維が豊富に含まれています。中でも、水溶性食物繊維が豊富に含まれる「あんず」と「いちじく」は、特におススメのドライフルーツになります。
また、ドライフルーツはシリアルやヨーグルトとセットで食べることを推奨します。そうすることで、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を取り入れることができ、非常に効果的に腸内環境を整えることができます。
<追記>
厚生労働省は、「成人女性の場合、1日18グラム以上」、「成人男性の場合、1日20グラム以上」の食物繊維の摂取を勧めています。この量を摂取するためには、ドライフルーツだけに頼らず、他の食材からも意識して食物繊維を摂取するよう心がけてください。